中国の歴史をひも解く
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楚成王と熊掌
中国は春秋時代。楚の国の王である楚成王は、太子の反乱によって自決を迫られます。 最後の望みを聞かれた楚成王は「熊掌を食べたら、死んでも悔いはない」と熊掌料理を要望します。 しかし、楚成王が、援軍が来る時間稼ぎで、熊掌料理を要望したことを見抜いた太子は、即座に死刑を実行したといわれています。
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孟子の格言
孟子は「余は魚料理が好きである。同じく熊の掌も好きである。 だが両方を得られなければ、余は魚料理をあきらめて熊掌を選ぶ」と言う詩を読みました。このエピソードより中国人なら誰もが知る「魚和熊掌、不可兼得」の格言が生まれます。「良い物は多く持てないので適切な断舎離が必要である」の意です。
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満願全席
満漢全席は、清朝の時代から始まった満族と漢族の料理の珍味を合わせたコース料理。 盛大な宴では、途中で出し物を見たりしながら、二~三日かけて食べます。熊掌・ツバメの巣・フカひれ・ラクダのこぶ・象の鼻・蛇・猿などがありました。
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野生の熊捕獲禁止
近年中国では、野生の熊の捕獲が禁止されているため、食用の熊掌を手に入れることはできません。そのため、ロシアから熊掌を密輸する業者が、毎年逮捕されます。中国では、ロシアの取引価格の十倍の値で売買されています。