狩猟免許の取り方
狩猟免許試験
狩猟免許は使用する猟具ごとに、猟銃(第一種銃猟免許)、空気銃(第二種銃猟免許)、罠(わな猟免許)、網(網猟免許)の4区分に分けられています。免許試験は区分ごとに内容が少し変わりますが、
知識試験(筆記試験)、適性試験、実技試験の3つの試験をクリアする必要があります。
なお、狩猟免許は環境省が管轄する国家資格の一種ですが、試験自体は都道府県が行っています。そのため狩猟免許試験について詳しくは、お住まいの都道府県庁のホームページをご確認ください。
知識試験
知識試験は、鳥獣保護管理法などの法律に関する設問や、猟具に関する設問、野生鳥獣に関する設問などが合計30問出題されます。回答は3肢択一式となっており、制限時間90分中に21問正解すれば合格です。
問題の難易度は決して高くはありませんが、無勉強でクリアできるほど甘くはありません。各都道府県猟友会などで購入できる『狩猟読本』という書籍があるので、予習しておきましょう。
適正試験
知識試験は試験日の午前中に行われ、結果は正午過ぎに発表されます。合格者は引き続き、視力、聴力、運動能力の適性試験が行われます。
合格基準は、視力は両眼0.7以上、わな猟・網猟免許で両眼0.5以上。聴力は10メートルの距離で救急車のサイレン程度の音(90デシベル)の音が聞こえること、運動能力は四肢をスムーズに動かせる程度の能力が求められます。
厳しい基準のように思えますが、試験は眼鏡や補聴器などの使用が可能です。
実技試験
適性試験に合格したら、引き続き実技試験が行われます。実技試験は免許区分によって内容が変わり、第一種・第二種銃猟免許なら猟銃や空気銃の分解や取り扱い方、わな・網猟免許であれば実際のわなや網の架設が行われます。
また、各免許区分に共通して、野生鳥獣の姿が書かれた写真やイラストを見て、その動物が捕獲して良い動物か?捕獲して良い動物であれば、その名前を答えるテストも行われます。
この実技試験は非常に難易度が高いため、事前に猟友会が主催する講習会に参加して予習をしておきましょう。
銃の所持許可
狩猟免許とは別に、猟銃や空気銃を所持するためには、銃の所持許可を公安委員会から受けなければなりません。
この所持許可は、警察署で開かれる猟銃等講習会を受講して、そこで行われる考査(筆記試験)に合格しなければなりません。
考査の難易度は都道府県によってかなり違いがありますが、10人中2人しか合格できない所もあるなど、簡単にパスすることはできません。
猟銃を所持する場合は、クレー射撃による実技試験も行われます。「いきなりクレー射撃なんて自信がない!」と思われる方も多いと思いますが、この実技試験は銃の安全な扱い方や射撃方法の教習も含んでいるので、決して難しい試験ではありません。リラックスをして受講しましょう。
猟銃や空気銃を所持するためには、上記のような試験を受けるだけでなく、様々な書類を集めたり、身辺調査を受けたり、所持する銃の検査を受けたりと、数々のハードルをクリアしなければなりません。
所持にかかる費用は、銃本体の値段を抜きにしても10万円以上。公安委員会とアレコレとやり取りをする期間も、3か月から半年以上もかかります。
非常に面倒くさい手続きですが、扱いを一歩間違えれば大事故につながる銃を日本で所持するというのは、それほどハードルが高く責任を負うことなのです。